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2007年06月24日

●ゾディアック

原題:ZODIAC
監督:デヴィッド・フィンチャー
製作総指揮:ルイス・フィリップス
脚本:ジェームズ・ヴァンダービルト
出演:ジェイク・ギレンホール 、マーク・ラファロ 、ロバート・ダウニー・Jr 、アンソニー・エドワーズ 、ブライアン・コックス 、イライアス・コティーズ 、クロエ・セヴィニー 他
オフィシャルサイト:http://wwws.warnerbros.co.jp/zodiac/
2006年/アメリカ/157分

なんとも感想の述べにくい。。。
地味、なんですよね、この映画。
もちろん、前半に集中してる殺害シーンなどは、小心なワタクシには、心臓がキリキリするような恐怖と緊張感があります。
特に昼日中ののどかなダム湖畔での殺人のシーンなんて、思わず目を閉じちゃったし。
しかし、全体的には淡々と・・・誰に感情移入するでもなく、一連の事件を時系列にグレイスミス(主人公であり原作本の著者)が知り得た範囲で追っている、そんな感じ。

この事件に深く関わり、その謎を追うことに囚われすぎるあまり身を崩していく関係者っていうのが主人公、同僚の記者、担当の刑事など描かれているけど、個人的にはエルロイの『ブラック・ダリア』に比べるとそこら辺を重視してる感も薄い。(注:映画は未見です。小説の『ブラック・ダリア』と比べての印象)
淡々と事実を映画として再構築して映し出している、よく言われてるように、ドキュメンタリーに近い感覚の映画です。
しかも、2時間37分と長い。
長いけど、後半はグレイスミスの謎解きでテンポが加速するので、思ったよりは全く退屈せずに見れました。
が、やっぱりこういう映画が好きな人向けの映画だと思います。
個人的には・・・うーん、DVDじゃあ、絶対に見てられないだろうし、1300円(前売り料金)くらいなら損したとも思わないので、自分としては満足。ただ、人にはあまりオススメしないか。

実際にそれを体験した人による著書を元にした、実際の事件を描いた映画です。
そして、これが未解決事件であることは広く知られています。
つまりどんでん返しみたいなものはありません。
多分、この辺が犯人ではなかろうか、という提示はあります。
そこに至るまでの過程については、事件のあらましを含め、2時間37分という上映時間を使い、丁寧に描かれていますから、こういったジャーナリスティックな作品を好む人には良いんじゃないでしょうか。
でも、謎な部分は謎なまま終わるけどねー。今後、この謎が解明されることはなさそうだし。
その辺が後味悪いといえば、そうかもしれないけど、未解決だからどうしようもない。けど、やっぱあそこまで肉薄しておいて謎のままって座り悪いなー。

冒頭の花火の空撮、新聞社内のセットなどの70年代的雰囲気、時間の経過を建設中の高層ビルが出来上がっていく様を早回しで表現したり、おっ、と思う演出有。
ジェイク・ギレンホール良かったんだけど、なんかこの人70年代って感じがしないんだ、こざっぱりしてて。(かわいいんだけどねー)映画内では確か10年超時間の流れがあるはずだけど、この人だけ見た目があまり変わらなかったし。
刑事役のマーク・ラファロはすごいよかったね!
ロバート・ダウニーJr.もどんどん酒とドラッグに溺れて落ちぶれていく様を好演しておりました。
超チョイ役でアダム・ゴールドバーグ(何気に好き)出てたり、脇役が豪華でした。

コメント

平たく言うと「イマイチだろ!」という解釈でよろしいでしょうか?(笑)。結構期待してたんですけど。。「DVDじゃ絶対に観てられない」というのがもっともこの作品を端的に表現してたりなんかする気がします。半額のときに借りて一生観ないパターンかなぁ(笑)

>「DVDじゃ絶対に観てられない」
というのは、ワタシにとってはこの作品に限らず、ほぼどの映画も当て嵌まるのですw
家だと2時間とか集中してられないんですよー。
「24」をほぼ全部早送りして、最後だけ見た女ですから、ワタシ。

cellさんの期待がどこら辺にあったかで、楽しめるかそうでないかも変わってきそうなんですが、『セブン』あたりを期待すると思いっきり肩透かしだと思うから見ない方がいいと思います。
この作品は「結末」を期待する話じゃないですしね。

もちろん、フィンチャーらしい点もあるんだけれど、トータルとしては監督がフィンチャーだっていう点を勘定に入れずにこの映画に興味を持つ人向けかなー、と。

でも、見終わった後、なんだかとても虚しい気持ちになるのは、さすがフィンチャー、なのかも。

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