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2004年09月26日

●Slowblow / "Slowblow"

元々のリリースは今年の6月なんだけど、最近知って、お買い上げしました。
Slowblow はアイスランドの Orri Jonsson と Dagur Kári Petursson の二人組。活動10年以上のベテランさんだそう。このアルバムは3枚目になります。

素敵なアルバムでした。
レコーディングはレイキャビク市内のいくつかのリビング・ルームやバス・ルームで行い、そして Sigur Ros のスタジオ(なんか屋内プールを改造したスタジオだそうですね)で Mix 作業をしたとのクレジットが。
Mum の Kristin 嬢もゲストボーカルやアコーディオンで数曲に参加。
レコーディング場所でイメージするように、とても手作り感のある暖かで牧歌的な音で溢れてます。
使われてる楽器もギター、ベースやドラムはもとより、ピアノ、ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、アコーディオン、木琴類、ハルモニウム、バンジョーに手拍子、そこら辺にある缶(tincans)、クズの詰まった木の箱(a wooden box full of crap)、珍しいところではミシンなんてのもクレジットされてます。
というように、どこまでもアナログ。ローファイ。
ゆらゆらと流れてくる音に重なるクリスティン嬢やダグールさんの歌。
とても心地よく沁みこんできます。
5曲目だけが何故かガレージっぽい曲でこれは個人的にちょっと謎なんだけど・・・(苦笑)
9曲目は曲にあわせて歌詞というか朗読がのるんだけど、これはリチャード・ブローティガンの最後の小説『ハンバーガー殺人事件(So the wind won't blow it all away)』からの引用だとのこと。未読なので何て言ってるかまでよくわからないんですが、本当に美しいメロディの曲。たっぷりと響く弦の音が効いてますね。これに続く10曲目が最後の曲でアルバムを締めるにふさわしいと思いました。ラジオのようなぷちぷち言ってるノイズとハルモニウムの音に震える口笛、そしてヴァイオリンが・・・懐かしさを連れてきてくれるの。
微かにキシキシかたかた聞こえるのが・・・ミシンなのかな。
そういう曲。

下のサイトでアルバムから1曲フルで聴けます:
https://www.smekkleysa.net/shop/item.php?id=403

Dagur Kári さんは日本でも公開された『氷の国のノイ』という映画の監督でもあり、この映画のサントラも Slowblow が担当。サントラは今夏 Pヴァインからリリース予定ってなってるけど出てる気配が・・・ないんだよなあ。オリジナルはアイスランドのレーベル Kitchen Motors からリリースになっています。
映画は東京では終わってしまってるみたいなんだけど、大阪では見れるみたいです。
関西の方、いかがでしょうか!?

(2006/11/14 追記:Dagur Kári監督の映画『ダークホース』はアイスランド映画祭にて上映されました。エンディング曲はこのアルバム収録の "Dark Horse" でした)