2006年10月05日

●Brad Mehldau Trio / Knives Out (Radiohead cover)

dayisdone.jpg
Brad Mehldau Trio / Day Is Done (Nonesuch, 2005)

ジャズのアルバムをおすすめできるほどにジャズ聞いてないので、今回曲単位で。
しかもカバーですが(笑)

しかしです。

コンテンポラリージャズの世界ではとても有名なピアニスト Brad Mehldau がトリオでカバーした、Radiohead の "Knives Out" はぜひ、普段ジャズを聴かない人、Radiohead の曲が好きな人にも聞いてもらう機会があればな、と思った曲です。

オリジナルはトム・ヨークのヴォーカルもあり、どちらかというと物憂げな雰囲気なんですが、こちらのカバーで漲ってるのは緊張感。
ピアノ、ドラム、ベースの3者の音のせめぎ合いは、そのスピード感と相まってとてもスリリング。
ちょっとドラムンベースっぽいところがあるんだけど、電子音でのドラムンベースとは違った流れるような滑らかさが堪能できます。
ロックを聴く人へジャズの垣根を取り払ってくれるかのごとくの、オープニングトラックだと思いました。

 >> Brad Mehldau Trio / Day Is Done(試聴できます)

16日にUKで、所属レーベルであるノンサッチのサンプラーCDがリリースになるとのことで、そのサンプラーにこのカバー収録されます。
Amazon.co.jpで546円なので、興味あればぜひ。ほんとは次に一転ゆったりと優しげな "Alfie" に繋がるアルバム "Day Is Done" を聞いていただくのが良いとは思うけど)

ちなみに Brad Mehldau は Radiohead 好きらしく、この曲の他にもカバーしてます。
"Live In Tokyo" というソロライブアルバムの中に収録されている、"Paranoid Android" なんて演奏時間19分29秒にも及ぶのですが、最初から最後までそのピアノの音に圧倒されっぱなしで、20分あっと言う間!!
また、"Exit Music" もカバーしてます。

あ〜あ、9月16日の来日公演逃しちゃったなあ・・・(涙)

2006年07月25日

●V.A. / Exit Music : Songs With Radio Heads

<Exit Music: Songs for Radio Heads
V.A. / Exit Music: Songs for Radio Heads

古いネタで恐縮でごんす。
今年の4月にリリースになった、Radiohead のトリビュートアルバム。

今日立ち寄ったGAPで Just のやたらファンキーででもカッコイイカバーがかかってて、あれは一体ダレのじゃ?と思いググったらこのトリビュートに収録されている Mark Ronson with Alex Greenwald によるカバーと判明。
こんなん出てたのかー・・・知らなかった(苦笑)

iTMSJでも売っていて、ちょこちょこ試聴したら割と面白そうだったのでサクっと買ってみた(笑)
いや、こういう企画モノってのは好みが別れるんだろうけど、自分カバーとか大好きなのですよ。面白いし。

High & Dry なんてどこぞのホテルラウンジかバーかでかかってそうなムーディーチューンになっております笑
Don't leave me dry とか歌いながらしっとり潤っちゃって、もう「君の瞳に乾杯」みたいな。

ジャジーでパワフルなピアノが印象的な The Bad Plus の Karma Police(歌なしインスト)はイントロの雰囲気だけで私メロメロ。終盤のドラスティックな展開もグー。
これ好きだー。うあー、ジャズってセクシーで情熱的だわ!
Meshell NDegeocello が歌う The National Anthem なんてチョーカッチョイイ!!

>> アルバムフル試聴(除Street Spirit)

>> Exit Music Official Site(Tracklistから試聴可)
>> Exit Music (Songs With Radio Heads) @ iTMSJ (iTunesが起動します)

見渡すとインストになってない曲では女性が歌ってる方が多いね。ちょっと面白い傾向。
そして女性が歌う方がハマってる印象。今度私もカラオケで挑戦してみよう笑

The Darkness がカバーしてた Street Spirit は今回、Telefon Tel Aviv feat. Lindsay Anderson でした。L'altraの人ですよね?
やる人によって同じ曲でもこうも雰囲気変わるのか(笑)
やっぱりカバーって面白い。
(でも面白さではやっぱり The Darkness の Steet Spirit に勝るモノはない気がする・・・笑 あのハイテンションぶりがなんとも)

>> The Darkness Street Spirit @ YouTube

あ、個人的に好きな Radiohead をカバーした曲では、Damien Riceの "Creep" とかもあります。

>> Damien Rice - blower's daughter & creep live in SG @ YouTube

さて、恒例の・・・
Damien Rice 来日祈願!!!!!!!!
(でも、ま、多分、来ることは・・・ないだろうな・・・。)

2005年04月21日

●PORN SWORD TOBACCO / "Porn Sword Tobacco"

Porn Sword Tobacco
PORN SWORD TOBACCO / "Porn Sword Tobacco" (CCO)

ほぼ1年前に出た Porn Sword Tobacco こと Henrik Jonsson のデビューリリース。
色々な成り行きから先月購入したばかりなのですが、最近のヘヴィロの1枚。
アンビエントの何たるかを語れるほど、アンビエントというジャンルにカテゴライズされる作品を聞いてませんが、私にとってのアンビエントを代表している1枚です。

思い浮かぶのは壊れたラジオ?永遠に広がる無人の砂漠?霧に閉ざされた湖?それともこの作品が録音されたらしい深遠なるスウェーデンの森でしょうか。
出力レベルは曲によって違えど、アルバム通して絶え間なく鳴っているホワイトノイズ、その上に置かれたピアノ、ギター、電子音。
特にアルバム前半においてはこれらのいわゆるオーガニックな楽器はフレーズを奏でることはなく、鳴っている、といった様相です。
そのせいか、悪い意味ではなく、とことん人間臭さ(別の言葉で言えば感情でしょうか)を感じることなく、ただこれらの音世界の儚さと美しさに溺れるばかりでした。
3曲目の "Evans Sun Down Corp." ではノイズとともに虫の音が下地になっており、そこに加わるのが晩鐘のように打ち鳴らされるピアノ。
昼と夜の狭間にある一瞬のノスタルジア?
割合にすればノイズやグリッチみたいな不安定な音が多いのに、何故かすーっと身体に馴染んでいってしまう気がします。
その証拠となるか、この作品は10曲入りですがアルバムというよりもEPの扱いらしく、30分にも満たない短いものなんですが、夜寝る時にかけてもラストまで聞けたことありません。いつも多分、4曲目か5曲目くらいで眠ってしまってる気がします(笑)

文句つけるとすると最後の曲でアンビエントな部分が控え目になってることかなあ。この曲はあくまで前半の曲に比べてですが、ちょっと世俗的な気がする。

先日 CCO のサイト見たら今年も PST のリリースが年後半にあるらしく、今からとても楽しみに待っている私です。

2005年03月10日

●Tunng / A Hawk and A Hacksaw / Reigns

This Is...Tunng: Mother's Daughter and Other Songs
Tunng - "Mother's Daughter & Other Songs" (Static Caravan)

これもラジオで聞いて、しかもオランダのラジオだったもんだからDJの曲紹介でアーティスト名がわからず、夜中の3時までネットを駆使して調べ上げた思い出の(ってつい週末の話だけど。。。)1枚。
エレクトロニックなところもあるんだけど、基本的にフォークです。フォークトロニカというのかも。
私がラジオで聞いた "Beutiful and Light" という曲は Marz っぽいです。
>> Tunng Official


A Hawk and a Hacksaw
A Hawk and A Hacksaw - "A Hawk and A Hacksaw"

Jeremy Barnes のプロジェクト A Hawk and A Hacksawの 2003年リリースのファースト。
どこに転がっていくかわからない、そんなわくわくさせてくれるような音楽。
本当に色々な音が使われてて、あげく酔っ払い(?)おっさんのダミ歌声(しかも割りと音はずしてる)とか咳払いとかまで入ってるとてもユーモラスな作品。
アコーディオンが大々的に使われてたり、ちょっと調子っぱずれな音が入ったり、ジプシー音楽的な香りもするすることがあったりするせいか、ちょっとノスタルジック。音の表情がとても豊かでサイレントのコメディ映画の音楽を思わせてくれるところも。
今月末に Leaf から2枚目のアルバムが出ます。

>> A Hawk and Hacksaw Official


We Lowered a Microphone Into the Ground
Reigns - "We Lowered a Microphone Into the Ground" (Jonson Family)

Tim Farthing、 Roo Farthingの兄弟インストユニット。
タイトルがまさにこのアルバムのコンセプトを表しています。
兄弟が地中にマイクを下ろし、そこで集めた音を再構成して作ったとされるのがこのアルバム。
最初の曲の冒頭にはスコップで地面を掘る音もちゃんと入っています。
そして、すべての曲には地上からの深さが記されていて、インナースリーブにはそれぞれの地点での状況、何が聞こえたかなどの解説も載っています。
まるで、昔の記憶を掘り起こすかのようにアルバムは進んでいき、最後、解説によれば機材が発火しこのフィールドレコーディングは終わっています。ここがちょうど地上から深さ1マイル。
幻想的でシネマティック。この兄弟を通して、10枚の古いスライドショーを見ているかのようです。

>> Reigns Official
(2006/11/14追記:ふぉぉぉぉ〜、いつのまにかセカンド "Styne Vallis" がリリースされてる〜。セカンドもトータルコンセプトアルバム。現在は湖となっている場所から発見された品々を通して、以前そこにあった水没した小さな町を題材にしてます。盤面(水没後の地図)からケース(水没前の在りし日の町の地図が描かれている)から今回も相当に作りこまれております。すごい。)

2004年12月13日

●Susanna and The Magical Orchestra / "List of Lights and Buoys"

List of Lights and Buoys
Susanna and The Magical Orchestra / "List of Lights and Buoys" (Rune Grammofon)

主に、海外のサイトで絶賛されているのを見て、最初興味を持ちました。
この Rune Grammofon というレーベルは、今年になって大分流通するようになってきたレーベルらしく(かなりあやふやな知識です・・・)、レーベル自体も方々で "素晴らしいレーベル" と大分褒めちぎられてたので、興味が見る間に当社比2倍。
ふと行った、HMV渋谷でも試聴機入りしているのを発見するものの、2400円は高いよ・・・と思い断念。しかし、ラフトレのチャートにまで顔を出す、幅広いウケっぷりにやっぱりきちんと聞いてみたくなって Amazon で購入しました。

Susanna Wallumrod の静かで繊細だけど、どこか力強さも秘めたような・・・とても「女性らしい」と、そう感じる歌声でした。
そしてその歌声の後ろに聞こえる温かみのあるちょっとくぐもったプリペアドっぽいピアノの音、電子音、ギター、ビブラフォンにハルモニウム。とてもシンプルだけど、歌がすんなりと入ってくるような、そんな絶妙な組み合わせ。
深々と心に降り積もるような曲が多い中、たまに混じる鬱屈としたサウンドまで印象的。
ジャズを基調にしたレーベルなのでジャズよりかと勝手に思ってましたが、ジャンル関係なしに「うた」が聞ける1枚です。

2曲目の 'Jolene' (カバー曲ですが)の切々とした歌がなんとも心に沁みます。
この歌声で "Jolene, Jolen, Jolene, Jolene I begging of you please don't take my man..." なんて歌われたら、こっちがしんみり泣けてきちゃいますね。
今、ちょうど White Stripes がカバーしてるのが音楽チャンネルで流れてるけど、それとはかなり印象違うかな。

Susanna and The Magical Orchestra は Vo. の Susanna Wallumrod 嬢と Morten Qvenlid。それにサポートで Andreas Mjos。
プロデュースは前述の Andreas Mjos + Deathprod。

女性ボーカルはあまり聞かないのですが、このアルバムはとても好きです。
来日公演を見逃したのが悔しくて悔しくて・・・(涙)

2004年12月07日

●Jimmy Behan / "Days Are What We Live In"

Days Are What We Live In
Jimmy Behan / "Days Are What We Live In"


アイルランドのアーティスト、Jimmy Behan のファーストフルアルバム。
アイルランドのこのシーンでは割と名の知れてる人らしい。
暖色系エレクトロニックポップ、というか例によって私好みのアコースティック×煌き瞬く電子音。
壮大さとかそんなのは全くないけども、とても優しいメロディとちょうどいい具合に耳に馴染む音のブレンドでリラックスしながら聞ける1枚。

1曲目 'Granby Row' のアコギなんかは特にそうだけど、前半はフォーキーなところもあるし、フォークトロニカって感じかもね。後半は割りとエレクトロニック色が強いかな。でも、ポップで素敵です。この音の作りというか全体的な雰囲気は私の中では National Forest に似たところで分類されてます。'Summer On The Wall' や 'Dandelions' あたりの音なんて特に似た雰囲気かも。

3曲目 'Deeper Than Heaven' はちゃんと歌が入ってるトラック。Nina Hynes という人がVo。
2曲目最後のとてもアンビエントな電子音の中から浮かび上がるようにアコギの音が出てきて、3曲目に繋げてるところがすごい好き。
この Nina Hynes さんの声が曲にあっててとても良かったので、もう1曲くらいボーカルトラックがあっても良かったかなーなんて。

ゆっくりあったかいお茶とか飲みながらぼーっと聞くのもいいかもねえ。
今、ジャスミンティー飲みつつ、CD聞きつつ書いてます。

http://www.myspace.com/jimmybehan
(試聴リンクはMySpaceに置き換え)

2004年11月07日

●Sufjan Stevens / "Greetings From Michigan: The Great Lake State"

リリースからかなーり時間が経ってますが、Sufjan Stevens の3枚目を先日買いまして、これまたすごーーーく素敵だったので。

彼はアメリカのシンガーソングライター。
ギター、ベース、ピアノ、ドラムはもとより、オーボエ、イングリッシュホルン、フルートなどの金管類から鉄琴/木琴等々のパーカッションから、言うまでもなく歌、作詞作曲とこなすとんでもなくマルチな方。
アルバムにちりばめられたこれだけの楽器からなる音のうち、ゲストクレジットが付くのはほとんどがコーラス。あとはトランペットとトロンボーンだけって・・・もう、唖然。
ちなみにセルフプロデュース。ジャケットのデザインも自分でやってる。

このアルバムは、彼の故郷であるアメリカのミシガン州をモチーフにしてまとめあげられた音の絵葉書みたいな作品です。
曲名には必ず、ミシガンの地名が入っていて、曲を聞いてると勝手に想像が膨らんでいく。
そういう郷愁感を誘うとても温かみがあって、センチメンタルな歌声の中にどこかほろ苦さも感じ曲たちです。

色々な楽器で織り成す彼独特とも言えるサウンドは、基本的に非常にフォーキーでオーガニックなんだけど、時たまとても変則的なリズムを持つ曲があったり、ビブラフォンだけのとてもアンビエントな小曲があったりと一筋縄ではいかないのがまたすごい。

彼の最新のアルバムは4枚目の "Seven Swans" になります。こっちは3枚目に比べるとちょっとほろ苦さが強調された雰囲気ですがとても素晴らしいアルバムです(Elliott Smith 好きな人におすすめ)。
また、最近出た、UK の Misplaced Music というレーベルのチャリティ・コンピレーションCD "Misplaced Pets" にも1曲提供しています。

KEXP のサイトで、出演時のライブセッションを聞くこともできます。
(7/28/2004、10/13/2004)

2004年11月04日

●Khonnor / "Handwriting"

Type Records から Khonnor のデビューアルバムです。
アメリカはバーモント出身の Khonnor こと Connor Kirby-Long 君、驚くなかれ、なんと1986年7月生まれ。今年18。
この若さということで、巷ではワンダーボーイと冠が付いてます。

ドリーミーで繊細なエレクトロ・ポップなこのアルバムを17で作ったと言われれば、やっぱりワンダーボーイと頷かざるを得ないですね。
ほぼ全ての曲には歌が入っていて、Khonnor自身が歌ってるんですが、この微かに震えた味のある歌声、どこか懐かしい感じさえするところがまた17に似つかわしくないです。
歌詞は歌詞カードが入ってるので読んでみたんですが、抽象的かつ非常に詩的。またもや、本当にキミは17かい?と言いたくなる。
電子音、それにノイズがかなり前面に出てきてボーカルはその波間に漂うような曲もあり、その辺では少々シューゲイザーも思い出してみたり。いや、以前に教えていただいた Stargazer という言葉の方がしっくりくるかな。
その他にも印象に残るのが、Khonnor の弾くアコギ。
アルバムの中でもハイライト曲に数えるであろう、'A Little Secret' や 'An Ape Is Loose' でのアコギはとても印象的です。
蒼い、という感想を持たれるかもしれませんが、そこはやはり17歳ですからね。この蒼さが今の Khonnor の持ち味だと思います。
Type は エレクトロニックミュージックのレーベルだけど Khonnor はギターに加えてPCも操るちょっと特殊なシンガーソングライターとして割と人を選ばずアピールする要素があると思います。個人的にこの先の期待も含めてオススメです。

一点ちょっと残念かなあ、とアルバムで思ったのは、曲が全部短め・・・
ムダに冗長なのはよろしくないけど、この場合もうちょっとひっぱってもいいんじゃないかと・・・。
ま、でもそこが刹那的でいいのかな?
黄昏時のように、昼から夜への一瞬の色合いを閉じ込めた1曲1曲とも言えるかもしれない。

試聴は Type Records の Release Info で。
こちらのオフィシャルっぽいところでは "I See Stars" という Flash のゲームが DL できます。
ゲームはルールがいまだによくわからないのですが、映像は綺麗だし、何より BGM が素敵な曲なのでお暇があったらぜひお試しください。
ちなみに BGM はアルバムの 11曲目 "Screen Love, Time and The Space Man" です。

この Khonnor 君、このアルバム以前に方々のオンラインレーベルで色々と曲をリリースしてたり、別名義でも色々とやってるそうです。
詳しくは、Loaded さん(管理人: ヒデービスさん)のこちらとかこちらで詳しくフォローされてるのでぜひご参照ください。
ここらの MP3 聞くと思うのは、Khonnor 君はいっぱい引き出しを持ってるなって。Khonnor and This Instrument 名義なんて全然雰囲気違いますよ。(見当違いかもしれないけど、一瞬 Aphex Twin あたりを思い出しました)

Stafraenn Hakon の "ventill/poki" もなんだけど、この "Handwriting" も CD Walkman で再生すると曲名データが全部出てくるんだよね。

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