2004年10月22日

●Efterklang / "Tripper"

これまた一聴き惚れしたバンド。
Efetrklang というデンマークのバンドです。
主要メンバーは
Mads Brauer / Casper Clausen / Rasmus Stolberg / Rune Moklgaard Fonseca (piano) /
Thomas Husmer (percussion) / Karim Ghahwagi(映像担当)
の5人。
そこに、ブラスや Sigur Ros とのコラボレートで有名な Amina String Quartet からヴァイオリンの二人などが加わり、ライブでは総勢10名に膨れ上がるそうです。

アルバム(10/25にUKのLeaf レーベルから発売)では、更にグリーンランドの合唱団まで加わり、ボーカル、電子音、ピアノ、ストリングス、ブラス、パーカッションなどとあわせて、ひたすらに繊細かつ寂寥感溢れる、優美で、壮大で、荘厳で幻想的なオーケストレションを聞くことができます。
本当に・・・月並みに「美しい」って思います。

Efterklang は英語に直訳すると「After noise」で、日本語にすれば「残響」とかという意味になります。どうも、意訳すると Efterklang というのは英語の Remembrance (「記憶」や「回想」の意)にもあたるらしいけど、私としては、アルバムのイメージは「残響」や「余韻」に集約されます。
静かに息を殺してでも、この音の余韻に浸っていたい、と思わせてくれるところがあります。
その辺は・・・やはり、Amina Quartet が参加していることもあって、引き合いに出される Sigur Ros に通じるところがありますね。
ただ、Sigur Ros のようにギター、ベース、ドラムっていういわゆるバンドが核ではなく、受ける印象はアンビエントなオーケストラという感じです。曲によっては電子音が目立つのと、男女の呟くようなボーカルが入ったりするところから、Mumなんかも思い出し、よりエレクトロニカっぽい印象も受けるかもしれません。

上のメンバーの中に映像担当がいるので察しがつくかと思いますが、ライブでは後ろにプロジェクションがあります。そのライブで実際に使う映像の一部である、アルバム "Tripper" に収録の "Prey and Predator" とうい曲の映像が音とともに、オフィシャルで見ることができます。
音と映像のシンクロ率が高い映像コラージュで、初めて見た時は酔いそうになりました(苦笑)
チラチラする映像が苦手な方は見ない方がいいかもしれないんですが、素晴らしいです。
(映像へのリンクは http://www.efterklang.net/prey&predators.mov)
また、オフィシャルでは 'Step Aside' という曲の試聴もできます。

コチラのサイトはデンマーク語で書かれていて読むことはできないんですが、アルバムから 'Doppelgänger'(http://www.dr.dk/musik/rock/artikel/ram/efterklang/doppelganger.ram←ぜひ聞いて。)、'Step Aside' がフルで聞けて、ライブの写真が1枚掲載されています。
10人確認はできないけど、Efterklang の主要メンバー+ヴァイオリン2名+ブラス2名 で合計10名で間違いないでしょうね。

一応、このアルバムは10/25発売となってるんだけど、HMVのサイト見たら、発売日が明日になってて、もしや・・・と今日、HMV渋谷に行って見たら、1枚だけあったんですよ。即効確保して帰りました。

リンク:
http://www.efterklang.net/
http://www.theleaflabel.com/
http://www.myspace.com/efterklang

(2006/11/14:このエントリーってトラックバックを3つもいただいてました。残念ながらトラバは移植できず・・・)

2004年10月18日

●Stafraenn Hakon / Dialect - "SEP/OCT Tour Ep"

(キャッシュの海より発掘。懐かしいなあ)

こちらの CD はタイトル通り、Stafraenn Hakon/ Dialect のこの9月/10月のUK/Irelandツアーオンリーで販売されていたスプリットCD。全6曲のほぼ40分。
両者3曲づつこのツアーCD用の曲を提供していて、それが Dialect → S. Hakon と交互に入ってます。最後の1曲づつは相手の曲をリミックスしたものになります。

まだ20歳にもなってないらしい Dialect の曲はゆるやかに流れるように始まるエレクトリックサウンドから徐々に絡んでくるビートが個人的にツボ。
この人の曲は基本的にビートが利いていて、疾走感があります。特にこの EP では 3曲目に入ってる Dead Animal Hymn [New Mix] はそのスピード感にも酔える感じ。

一方の Stafraenn Hakon はすーっと染み渡るような音の余韻がステキです。
Resonant はエレクトロニカのレーベルとして名が通ってるらしく、彼はこのレーベルを代表するアーティストなんだけど、この EP の曲も大分、生音重視で作ってる。単にエレクトロニカとかって括っちゃうとちょっと勿体無いなあ、と個人的には思います。
クサいのを承知で言えば、とても夢見心地に浸らせてくれる音楽です。
最新アルバム、"ventill/poki" は個人的にはかなりオススメなアルバム。ちなみに、Dialect も Drums 等で参加しております。

EP の1曲目の Dialect の曲を 5曲目で S. Hakon がリミックスしてるんだけど、彼の手に掛かると Dialect の曲もがらっと雰囲気が変わって夢見心地サウンドになるのが面白い。
そして、逆に Dialect がリミックスすると、風を切るようなスピード感が S. Hakon のトラックに出てくるんだよね。この二組はとてもいい影響を与える組み合わせなんだなあ。

S. Hakon の曲はオフィシャルで試聴可。
Dialect は今のところ、この Tour EP の他には 12" を1枚 Resonant からリリースしてます。
こちらのサイトで、この 12" から上に書いた 'Dead Animal Hymn' のオリジナルミックス ver. ともう1曲をフルサイズ MP3 で DL 可能。ぜひぜひお試しください。

Stafrænn Hákon はアルバム出したばかりなので、しばらくリリースはないかもしれませんが、Dialect はファーストアルバムを現在制作中で、リリースは一応、来年とのこと。
本人曰く、この EP に入ってる曲と、アルバム用に今、暖めてる曲は結構違うらしい。彼は今、オーガニックなフォークサウンドを好んで聞いているようなのでそういう影響が出てくるのかも・・・?個人的にはかなり期待して待ってます。

この Tour EPってレベールサイトで通販できたんだけど、今日見たら Sold Out・・・!!
でも、非常に驚いたことに、HMV Japan で通販できるみたいですよ、このツアーEP。
http://www.hmv.co.jp/product/detail.asp?sku=1792731
ここに載っている。恐るべし、HMV・・・。

2004年10月09日

●Lateduster / "Easy Pieces"

こういうのをポストロックって言うんだって。
やっぱりよくわからないや・・・。誰か定義を教えてください。

これまた行き当たりばったりにネットで試聴していいな〜って思ってたら、木曜日にHMV渋谷で試聴機に入っているのを発見、聞いてやっぱり気に入ったから買った。
HMVのコメントカードにも色々書いてあって、どこどこの誰々と誰々と etc. がやってるとかあったけど、固有名詞を何一つ知らないので覚えられなかったし、個人的には音さえ気に入れば誰が何をやってたっていいので、いいんです。
「Lateduster / Easy Pieces」でググればもっときちんとレビューされてるサイトさんが見つかりますので、そちら参照くださいね〜。

よく知りもしないのに何がそんなに気に入ったって、ドラムです。Martin Doshって人みたい。やっぱり知らないけど(笑)
特に1曲目とか4、6曲目とか好きだなー。裏拍で入られるともう心拍数も上がっちゃうもん(笑)
基本的にギターメインなんだと思うんだけど、ちょうどいい塩梅にエレクトロニックな雰囲気もあるし、キーボードフェチも満足する程度に鍵盤も使われてるし、CD通して、起伏はありながらも流れるようにつづくメロディはとても綺麗です。

試聴はレーベルサイトのコチラへ。HMV渋谷の2階でも試聴できた。

この CD はムービークリップも入っていて、ライブが 1曲、PV が 1曲見れるんだけど、ライブは会場がビルのギャラリーみたいなところでバンドの後ろ全面ガラス張りなんですよ。
こういうところでやるライブって見てみたい。あ、メンバー4人の写真も収録されてます。この写真モノクロでカッコイイ。

ところで、iTunes でこのアルバム聞いてると、時々ぷつぷつ躓く気が・・・。なんで〜(涙)

2004年10月07日

●Stafraenn Hakon / ventill/poki

Stafrænn Hákon というのはアイスランドはレイキャビクの Olafur Josephsson さんの一人ユニット?プロジェクト?
Resonantってレーベルから出してます。
こちらは 9/13 に出た Resonant からは 3 枚目のアルバム。通算では4枚目。
私は例によってネットを彷徨って行き当たりばったりで聴いて気に入ったものを買うので、アーティストについての詳しいことはわかりません。
が、日本のショップでも普通に売ってますのでぜひ。日本って本当にすごい国だわねー。
ただ、今日、渋谷のワルシャワ行ったら「ちょうど今日で在庫切れまして・・・」と。でも近々また入るそうな。

アイスランドということで、UKショップ、日本ショップ双方のコメントに引き合いにだされるのは Sigur Ros。
でも、Sigur Ros の「凛」とした研ぎ澄まされたイメージとは違って、こちらはたおやかで暖かいサウンド。英語でいうと more intimate って感じね。
そういう意味で Sigur Ros に Ulrich Schnauss 混ぜたような感じに個人的には思いました。

一人ユニットで S. Hakon で ギター、ベース、キーボード、ドラム・プログラミングでクレジットついてるけど、このアルバムは数曲 S. Sammiってギターの人との共作。ほとんどの曲はゲストのドラマーが入ってるので生ドラム。チェロやトロンボーンも生音みたい。
ライブもバンド形式でやってるみたいです。

オフィシャルで色々と聞けるのでインストでも平気な方はぜひお試しください。

最近、レーベルメイトの Dialect と UK/Ireland ツアーを敢行し先ごろ終了。
なんと RoTa にも出演してた!
RoTa ってのは Rough Trade が Notting Hill Arts Club で行ってるフリーイベント。
タダよ、タダ!無料で見れたなんて・・・。

Dialect も気になるなあ。そのうち CD 買ってみよう。

最後に、Olafur Josephsson の読み方は想像がつくんだけど、Stafrænn Hákon とアルバムタイトルの読み方がイマイチ想像つきません。
このアーティストについて詳しい方、ぜひ教えてください!お願いします。

2004年09月26日

●Slowblow / "Slowblow"

元々のリリースは今年の6月なんだけど、最近知って、お買い上げしました。
Slowblow はアイスランドの Orri Jonsson と Dagur Kári Petursson の二人組。活動10年以上のベテランさんだそう。このアルバムは3枚目になります。

素敵なアルバムでした。
レコーディングはレイキャビク市内のいくつかのリビング・ルームやバス・ルームで行い、そして Sigur Ros のスタジオ(なんか屋内プールを改造したスタジオだそうですね)で Mix 作業をしたとのクレジットが。
Mum の Kristin 嬢もゲストボーカルやアコーディオンで数曲に参加。
レコーディング場所でイメージするように、とても手作り感のある暖かで牧歌的な音で溢れてます。
使われてる楽器もギター、ベースやドラムはもとより、ピアノ、ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、アコーディオン、木琴類、ハルモニウム、バンジョーに手拍子、そこら辺にある缶(tincans)、クズの詰まった木の箱(a wooden box full of crap)、珍しいところではミシンなんてのもクレジットされてます。
というように、どこまでもアナログ。ローファイ。
ゆらゆらと流れてくる音に重なるクリスティン嬢やダグールさんの歌。
とても心地よく沁みこんできます。
5曲目だけが何故かガレージっぽい曲でこれは個人的にちょっと謎なんだけど・・・(苦笑)
9曲目は曲にあわせて歌詞というか朗読がのるんだけど、これはリチャード・ブローティガンの最後の小説『ハンバーガー殺人事件(So the wind won't blow it all away)』からの引用だとのこと。未読なので何て言ってるかまでよくわからないんですが、本当に美しいメロディの曲。たっぷりと響く弦の音が効いてますね。これに続く10曲目が最後の曲でアルバムを締めるにふさわしいと思いました。ラジオのようなぷちぷち言ってるノイズとハルモニウムの音に震える口笛、そしてヴァイオリンが・・・懐かしさを連れてきてくれるの。
微かにキシキシかたかた聞こえるのが・・・ミシンなのかな。
そういう曲。

下のサイトでアルバムから1曲フルで聴けます:
https://www.smekkleysa.net/shop/item.php?id=403

Dagur Kári さんは日本でも公開された『氷の国のノイ』という映画の監督でもあり、この映画のサントラも Slowblow が担当。サントラは今夏 Pヴァインからリリース予定ってなってるけど出てる気配が・・・ないんだよなあ。オリジナルはアイスランドのレーベル Kitchen Motors からリリースになっています。
映画は東京では終わってしまってるみたいなんだけど、大阪では見れるみたいです。
関西の方、いかがでしょうか!?

(2006/11/14 追記:Dagur Kári監督の映画『ダークホース』はアイスランド映画祭にて上映されました。エンディング曲はこのアルバム収録の "Dark Horse" でした)

2004年09月24日

●Julian Fane / "Special Forces"

ネット徘徊で色々聞いた中で耳に止まった・・・かなり好きな感じ。
更にジャケットの絵にも魅かれた。

Radiohead に Sigur Ros あわせて、時々、Flaming Lipsなんかが舞い降りた印象。
とてもオーケストラルで綺麗なトラックばかりです。
当たり前なんだけど、バンドじゃないので、音もバンドサウンドではなく、どこまでも透き通るようなエレクトリックサウンドです。
ジャケの通り、空気のクリアな冬のイメージ。
とても素敵なアルバムです、というかだと思います。
なぜ、「です。」じゃないのか?それは私もネット試聴だけで、アルバムはまだ手元にないから。

多分、大体の曲にボーカルが乗ってるんだけど、声が・・・非常にトム・ヨーク(苦笑)In Spaceとかレディへの曲かと思ってしまうくらいかも。
でも、Radiohead とはちょっと違う透明感や儚さがある。それにこのサウンドにあの高音ヴォーカルはぴったりだと思う。

この人、若干21歳の Planet Mu レーベルの期待の新人。
この方面(電子音系というかアンビエトというか)に明るくないのでレーベルについては不知だけど、所属アーティストに見知った名前が少々あったのできっと有名なんでしょう。
バンクーバー出身。
なんでも音楽やる前はナスダック(全米証券業協会(NASD)が運営する店頭株市場。マイクロソフトやインテルなどIT企業の取引がなされています)のデイトレーダーだったというあまり聞かない前歴の持ち主。
バイオのところ、どなたが書いてるのかわからないけど、Planet Mu が嫌いな人に好かれる、とか、そのうちもっと大きなレーベルと契約してしまうだろう、とか随分とヒネクレたこと書いてあった。
(2006/11/14 追記:結局、セカンドも Planet Mu からリリース/笑)

CDは UK では9/6 にリリース済み。10/5に US盤 がリリース予定。

試聴はレーベルサイト内へ:
http://www.planet-mu.com/ziq091.html

彼の曲の雰囲気に囚われてしまったのでココでも宣伝してみる(笑)
アルバムまだ手元にない上に、畑違いのにわかちゃんが今更とりあげても説得力ないかもね・・・。

あ、つい先日、9/17 にロンドンで Planet Mu のイベントがあって、Julian Fane のライブもあったらしい。

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